〜小説〜

ダイブ

第五章 過信

5 - 2

昨日は不意打ちを食らったが、慎重に進めばなんてことはなかった。


敵の位置はわからなかったが、やつらは常に微かなうなり声を出しており、近くにいることを察知することが出来た。


 


また、この周辺にはゴブリンしか生息しておらず、常に3
〜4体で行動しているようで、戦闘の練習にはもってこいの場所であった。


ゴブリンは槍で2
発程度、通常攻撃を加えれば、技を使わなくても倒すことが出来た。


 


また、ミサの召喚獣が使う防御魔法の効果が絶大で、僕はゴブリンからの攻撃ではほとんどダメージを受けなかった。


 


さすがにサトルは装備の関係上、ゴブリンの攻撃でも派手に血を噴出していた。


そのたびに召喚獣の回復魔法で治してもらっていた。


 


さすが魔法使い・・・


貧弱!貧弱!貧弱ぅ!


 


しかし、サトルのもう1つの魔法「アイス・ダガー」もなかなかの威力を持っていた。


「アイス・ダガー」は、複数個の氷の矢を術者の前面に作り出して敵に放つ魔法で、当たり所がよければ一撃でゴブリンを倒していた。


1つの魔術書で10回ほど使うことが出来て詠唱時間も2秒程度だった。



昨日と違って慎重に進んだため、僕らは特にピンチになることも無く進むことが出来た。


 


次の町に、残り500メートルほどで到着するといった時、スキルチップ「心眼」を手に入れることが出来た。


 


スキルは一人3
つまでしか覚えることが出来ないらしく、3つ以上覚えるためには変わりに何かを忘れる必要がある。


そのため誰が覚えるか重要であった。




「この場合、正確な場所を把握しなきゃいけないのはタクヤかな?弓使いだし。」




サトルは僕が覚えることを提案してきた。


 


魔法も同じ遠距離攻撃になるが、ほとんどが範囲攻撃だ。


どうやらなんとなく魔法を使えばあたるらしい。


 


より正確な場所の情報を必要とするのはこの中で一番遠距離から攻撃が出来る僕だという主張だった。


もちろんスキルに興味があったし、使えるなら使いたいと思った。

「僕でいいなら貰うけどいいの?」


 


サトルは軽くうなずいた。


先ほどの質問はシカトされたが、僕は一応ミサにも許可を得るため再度質問することにした。


「僕が覚えちゃっていい?」


 


「いいんじゃない?・・・あっ!



すると、さっきから考え込んでいるようだったミサの顔が、一気に明るくなった。




「決めた!!さーやとゆーかにする!」


 


「え???」


なんのことを言っているのかわからなかった。


 


するとミサは召喚獣と戯れはじめた。


耳を澄ますと召喚獣を「さーや」、「ゆーか」と呼んでいる。


どうやら召喚獣に名前をつけたようだ。




金髪のほうが「さーや」で、茶髪のほうが「ゆーか」らしい。


 


まぁ命令するのに名前があったほうが便利だが・・・




そういえば・・・ここまでの道のりでミサ一言もしゃべってなかったな・・・

もしかして慎重に進んでいたんじゃなく、名前を考えていたからってこと?


あいかわらず緊張感がないというか・・・


 


そんなミサをおいといて、僕はすぐさまチップを使うことにした。


「・・・」


「どうやって使うの?」



「・・・」


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