〜小説〜

ダイブ

第四章 戦闘

4 - 3

しかし後ろにモンスターの姿は見えなかった。


そこにいたのは・・・



「私だけ何もやってない!!」


 


むくれ顔のミサだった。


さっきまで半泣きだったのに・・・鬼のような形相だ。


わけが分からない・・・が!


 


ゴブリンよりもよっぽど怖い・・・


ミサが僕らに近づいてきた・・・


 


殺される・・・


 



僕はプレッシャーに耐え切れずサトルのほうを向いた。


がサトルはまんざら怖がってもいなかった。


 


むしろにやけている!?


 


怒った顔も可愛い!!


と、サトルは思っているのか・・・?


 


なんて、馬鹿な奴らだ!


付き合いきれん・・・


僕はサトルの顔を見て一気に緊張感がうせた。


 


 


やはりミサは怒っていたらしく、サトルに向かってなにやらわめいている。


 


しばらくは二人のやり取りを聞いていたが

ミサが怒る → サトルがなだめる → ミサが怒る の繰り返しだった。



いつものことなんだろうな・・・

仲が良いのは分かったけどそろそろ飽きてきたな・・・


いつまでも痴話喧嘩に付き合ってられないと思い、僕は話題を変えようとした。


 


 


「とりあえず先に進もうか?」


 


 


これがいけなかった!


なぜかわからないが、気に入らなかったらしく、怒りの矛先が僕に向いた。


 


「タクヤ!!まだ話が終わってないだろ!!」


 


ヤバイ!!


今までの経験から言って、ミサはサトルに対しては手加減するのだが、僕には容赦が無い・・・


 


僕はサトルに助けてほしいと視線を送った。

しかし・・・



サトルはどこから取り出したのかタバコを吸い始めた・・・


助けろよ・・・


 


「ごめん!次のモンスターは任せるから!ほら、もうすぐそこら辺から出てくるよ〜」


出てくる雰囲気はないがとりあえず言っておく。


 



「タクヤ!次、手出ししたら、ただじゃおか・・・」


 



 


ブツッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 


 


目の前に広がる光景はさっきまでいた草原ではなく、
3時間前に見た天井だった。


3
時間過ぎて強制的に現実世界に戻されたのだ。


 


すぐさまカプセルが開き、外に出ることが出来た。


 


「あー・・・お疲れ様。どうだった?」


タチカワさんの声が聞こえる。


 


「えっと・・・たっ・・楽しかったです。」


正直、今の僕はそれどころじゃなかった。


 


最悪だ・・・


めちゃくちゃ睨んでるよ・・・






誰か・・・助けて・・・


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